DIARY

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こちらが、その薔薇。
アーチ状になっていて、素敵!

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で、でかい。これが薔薇?
一瞬、百日紅かと思った・・・。
確かに、薔薇です。
香りがたまらなく甘い!

顔を近づけてうっとりしていると
奥様の声が

「ヒロコ、ヒロコ!
こっちはどう?ここで写真を撮ったら?
こっち、こっち!
この薔薇はね・・・」
と大きな声で手招きしてくれる。

奥様は、本当に親切で、よく気の付く女性なのだ。

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常緑樹が茂る庭を歩き終えると・・・趣きの異なる庭が出てきました。
思わず「まぁ、薔薇を育てているのね!」と言うと
奥様、大きな目を輝かせて
「そう、ここをね、色んな種類の薔薇で一杯にしたいの。
まだまだ、若いのが多いでしょ、これからよ。
でも、ほらっ、あっちの薔薇はかなり大きくなってきたわよ」とのこと。
どれどれ・・・

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スミス邸の中は・・・それはそれは広くて
ゴージャスというよりは歴史感じる風情。

部屋や廊下の壁には古い写真が。
う~ん、さりげなくイートン校の集合写真がある。

ソファでドリンクを戴きながら
日本のお土産や私の本を渡す。
ひとしきり話した後

奥様が「ランチはもうちょっと待ってね。
今、オーブンに入れたところだから
出来るまでの間、庭を案内するわ。
え~と、ヒロコが描いてる花もあるはずよ。
あなた、花の名前詳しい?
私、すぐ忘れるから。あっ、そうだわ
二階にいい花の本があるわ。でもそれは
庭から戻って来てからでいいわね。
きっと邪魔になるわ。持っていくと。
そうよ、そうしましょう。
さてさて、行きましょうか?いい?さぁ、こっちよ」

奥様は、ふと思いついた独り言も
普通の会話と同量の声で話すのだなぁ
と徐々に分かってきた。
そしてそれが、すっごくたのしい!

今、歩いているのは
テラスから噴水のある庭に出て
裏庭へ向っているところ。
この広大さ、信じられます?

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両側に牛を眺めながら、車をゆっくり走らせていくと・・・
スミス邸が見えてきました。
正面玄関らしき前に、車を置き
夫妻が帰ってくるまで、ぶらぶら歩きます。
それにしても・・・広い!

しばらくすると、車(やはり立派とは言い難い車でした!)が
ゆっくりこちらに向って走ってくるのが見え
慌てて挨拶に走って行くと
奥様が気付いてくれて、車中から大きく手を振っている。

運転席の旦那様に「あなた、止めて止めて!」と言っているようで
肩の辺りをバンバン叩いているのが見える。
そして車からおりるなり、力強い握手&ハグ。
旦那様は、懐かしのシャイな笑顔。
今日のお礼を言いながら握手を交わす。

奥様が、「さっき、サイモンに教会を出たところで会ってね、
日本人がスミス家を探していたから、連れていっといたよって
教えてくれたの。ごめんなさいね、迷ったのね。
ここ分かりにくいから。」
と早口で教えてくれる。

え?何々?
家を教えてくれた人、スミスさんの知り合いなの?
「彼ね、うちの会社で働いているのよ」とニッコリ。
そうなんだ・・・何と言う偶然!

「さぁさぁ、立ち話も何だから、家に入りましょう。
車は?え?あっ、そう。もう止めてあるのね。
私たち、裏から回るから、正面で待っててね。
そう、あっちあっち。」

奥様はすごくパワフルな感じで、話すのがとてつもなく早い。
滞英中、ホップウッドさん家で会った時とは印象が違う様な・・・

きっと、シャイであまり口数が多くないスミス氏と
相性がいいんだろうなぁ~と、思わずボーっとしていると

「ヒロコ?いい?分かった?」と腰をかがめて
顔を覗き込みながら聞いてくれる。
何せ、奥様は背が高い。

「ええ、分かったわ。」と頷くと
「オォー、ヒロコ!来てくれたのね。
私たち、今日のこと、すごく楽しみにしてたのよ」ですって。
こちらの方こそ、どれほど心待ちにしていたことか。
ただ、ホップウッドさんと一緒じゃないのが残念だけど。

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ブルーの車の後をついて行くと・・・
この門の前に車が止まった!

オジサンと青年が車からおりて来て
「ここだよ、スミスさん家は」と言う。

えぇー?ここ?
ここ、先ほど来ましたよね、私たち。
恐る恐る、少しだけ中に入って
牛の多さに「ここは、ファームか?」と
引き返したところではありませんか。

ここ、だったんだ・・・。
そう言えば、この門は鉄製だわ。
全く気付かなかった。

「ありがとう!本当に助かりました」と
何度もお礼を言って、ふと思い出す。
「あっ、そうだ。ちょっと待ってて」
慌てて車へ戻り、日本から持ってきたお菓子
『ゴーフル』を渡す。

(実はこの『神戸ゴーフル』は
ホップウッドさん始め教会の皆の大好物。
薄くて食べやすく三種類のクリームを愉しめるのが
人気の秘密らしい)

「これ、どうぞどうぞ。少しだけど
今日のお礼に。日本のお菓子なの」と渡すと

「と、とんでもない!道を教えただけさ。
それは受け取れない、ない。
じゃぁ、たのしんで!」
と、爽やかに去って行った・・・。

ウエールズのガソリンスタンドで
私たちがガソリンの種類を分からず困っていたら
助けてくれたオジサンがいて
その時、お礼にゴーフルを渡した ―

ことを思い出したのだが
今回は、えらく遠慮されてしまった。
(ガソリンスタンドのオジサンは、目をクルクルさせて驚きながら
「サンキュー!」と喜んでくれた)

いぞれにせよ、今回の旅は
人に恵まれているなぁ~と実感!
ありがたいことです。

さてさて、今度こそ中へ入っていっていいんですね。
それにしても・・・さっきより牛、増えてない?

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と、とりあえず車を走らせる。
次の家が、全く見えてこない。
道の両側は、生い茂った木々のみ。
ここが、まだ同じ村なのかさえ分からない。

途方に暮れていたその時、道路右側の草むらから
のそっと男の人が現れた。

え?ど、どこから現れるの?と驚いていると
その人、この道を渡ろうとしている。

ということは、左側に何かあるのか?
見ると、そこはだだっ広い土のスペースとその奥に小屋らしきもの。

とりあえず、そのスペースに車を止め
大声でその人を呼びとめる。

「どうした、どうした?」といった感じで車に寄って来てくれ
「この辺にスミスさんのお宅ありますか?」と聞く。
「え?誰?」
「スミスさん、ミスター・スミスです」
「何て言ってるんだ?」
「だから、スミス!スミスさん!」

夫と私で「スミス!」と何度叫ぶも
怖ろしいことに通じない。
え?わたしたちの英語力ってこんなにひどいの?
心底、絶望を感じていたその時・・・

男性の後ろから、素朴な青年がひょろっと現れ
「この人たち、スミスさんって言ってるんじゃないの?」と
呟いた。

「そ、そうなんです!今、彼が言った通り!
スミスさんの家を探してるんです。ビール会社の!
知ってます?スミスさん、ビール、ビール会社の!」と
すがるように伝えると

「おぉ、スミス氏か。それなら、あんたたち来過ぎだよ。
今から案内するから、俺の車の後ろをついておいで!」と
行って小屋らしき方へ走って行った。

うそ?そこまでしてくれるの?!
何ていい人・・・。
スミスすら発音出来ない私たちに。

感激していると、ブルーの車に青年と二人乗って現れ
車窓を開け「Follow me !」と叫び
来た道を指差す。

ひぇ~、この人めっちゃカッコいい。

そういう分けで
ただ今、彼の車の後ろを走っています。

何と言う奇跡的な出会い!
それにしても、何で彼は何もない草むらから現れたんだ?
何であの小屋に車を置いていたんだ?

分からないことだらけだけど
とにかく今は、この奇跡に感謝して車を走らせる。
あぁ、スミス夫妻に会えますように。

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ホップウッド夫妻のお陰で出会ったスミス氏。
そもそも、どうして彼らは知り合いだったか?と言うと・・・

ミスター・ホップウッドは生まれてからずーっとMeanwood で暮らし
地元のMeanwood Methdist教会では
献身的に活動をしていて、皆のリーダー的存在でした。

彼は、歴史に興味があり
教会の様々な歴史を調査し、まとめようとしていたところ・・・

スミス家のご先祖さんが、その昔、Meanwoodに住んでおり
Meanwood Methdist教会に、携わっていたことが分かりました!

それを知ったミスター・ホップウッドは、「これはおもしろい!」と思い
また、「もしかしたら現当主のスミス氏は知らないのでは?」と考え
手紙でお知らせしました。

すると案の定、スミス氏は、その事実を全く知らず
自分のルーツを教えてくれたホップウッドさんに、とても感謝し
お礼にいらしたとのこと。
それ以来、お付き合いをしているとのことです。

今は亡きミスター・ホップウッドの人柄が伝わるエピソードです。


さて、今夏のスミス氏訪問のいきさつは・・・

スミス夫妻とは、日本へ帰国後
クリスマスカードを出しあうくらいでしたが
出版された画集を送った時は、「あなたの絵は素晴らしい」という
うれしいお手紙を頂戴しました。
また、Meanwood Methodist教会で個展を催した際(2009年)は
スミス夫妻&お嬢さんの三人で来て下さり
とても丁寧に絵をみてくれました。

英国へ旅する時はお知らせをしていなかったのですが
去年、クリスマスカードを送る時
何となく「来年の夏はヨークシャーをたのしむ予定です」と書きました。

そうしたら、奥様よりお手紙が届き
「ぜひぜひ!家へ来てちょうだい。一緒にランチでもしましょう」と
お誘いいただいたのです。

春ごろから連絡を取り合い
ミセス・ホップウッドと一緒に伺うことになりました。
ただ、ホップウッドさんは体調を崩し無理になってしまったので
私たち三人になってしまいましたが。


さてさて、ただ今、スミス邸を探して運転中。
え~と、村の坂を越えて左に入って・・・四軒目って書いてたよね。

一軒目はこのお宅よね、二軒目は、え?どこ?あぁ、ここか。
三軒目は・・・あれ、道どっち?こっちであってるのかなぁ・・・。
え~すでに三軒目が分からない。
あぁ、確か〈門が鉄製〉って書いてたわ。・・・でも、そんな家ないよ。
っていうか、家がない。
ここは?門が開いてるけど・・・私たちのために開けてくれてるの?

車を止めて、ちょっとだけ歩いてみる。
「12時まで教会のミサに出て、その後家に帰りますから」
とのことだから、まだ帰っていないのかなぁ。

でも、これ入っていいの?
娘が「ここ家?牛いっぱいよ」
確かに・・・。
ファームなのか?ここは。
じゃぁ、ちがうよねぇ。
スミスさんが、こんなにたくさんの牛を飼うはずがないし。

車に戻ってきて夫に「ここ、違うと思う。どうする?」と聞くと
「電話したらええやん」と言われ

う~ん、英語の電話は苦手なのだが、この際言ってられない。
鞄の中からスミスさんの連絡先を書いたノートを探す。

探すのだけど・・・あれ?ない、ない、ない!ないー!!
「ごめん、電話番号書いたノート忘れた。
電話番号分からんわ・・・」

「えー?!どうするんや?」
「何それー!ふ、ふつう、忘れる?」
夫と娘から総攻撃。仕方がない。申し訳ない。

と、とりあえず、この先へ車走らせよう・・・

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工場見学の日は、朝から快晴で
ミスター・ホップウッドの車はグングン西へ走って行く。

いくつもの小さな村を通り抜け
お目当ての村が見えてきた。
そこは、花・花・花!色とりどりの鮮やかな
ハンギング・バスケットが至る所に飾られている。
「素敵ねぇ~。すごいねぇ~」と感嘆していると
ミセス・ホップウッドが得意気に
「ここは、村の花の美しさを競う大会で
一番に耀いたことがあるのよ」と教えてくれる。

「さぁ、着いたよ」と車が止まったのは
古い石畳が歴史を感じさせる工場裏。
さぁ、いよいよスミス氏と対面だ。

迎えに出て来てくれたスミス氏は
まさにEnglish Gentleman。
仕立ての良さそうなスーツを着こなし
派手さは皆無だが、オーラがある。
落ち着いた物腰。
シャイな笑顔で差し出される柔らかな手。

もちろん、金銭面では大分違うだろうけど
ミスター・ホップウッドと似た雰囲気がする。
温かさが滲み出ている感じというか・・・。

工場へ入る前に、「馬を見ますか?」と
自慢の馬を見せてくれた。
それはそれは美しい毛並みの優しい眼をした馬。
そこで馬の世話係らしき方が、私のカメラに気付き
写真を撮ってくれることに。
ホップウッド夫妻&私&馬で記念撮影!

スミス氏もご一緒にと思ったけど
初対面でそれは失礼だろうと声をかけずににいると
撮影後、ミセス・ホップウッドがこっそり教えてくれた。
「スミス氏は、とってもシャイだから写真は苦手なのよ」
よかった・・・お誘いしなくて。

「じゃぁ、中へ入りますか」と案内されると
そこには大きなタンクがズラリと並ぶ。
スミス氏がビールを作る工程を説明し始めて
少し経った頃、分からないことがあったようで
そこにいる作業着のスタッフに、何やら聞きに行ったのだが
その時の様子に驚いた!

「え~と、どうでしたかね、すみませんが教えて下さい」
と、ものすごく丁寧で、腰が低いのだ。
後で聞くに、ホップウッド夫妻も
スミス氏のこの対応にびっくりしたらしい。

そして戻ってくるなり
「スミマセン、間違えていました」と訂正し
再び説明を始めてくれた。

専門用語も多く、中々聞きとりは難しいけど
ホップウッドさんの解説に助けてもらいながら
何とかついていく。

多くの過程を見学させてもらった後
「さぁ、こちらへ」と部屋に通された。
紅茶を戴きながら、お礼を言っていると
部下の人が紙袋を持って現れ
スミス氏が
「これ、どうぞ。日本を思い出されるとおもいますよ」と
渡してくれた。

中を開けると・・・日本の缶ビールがズラリ!
え?!どうしてここに?

どうやら日本と取り引きしているようで
いくつか日本ビールを持っているらしいのだが
今日、私たちが来ることに合わせて
用意してくれたことに感激する。

多くを喋らない。
穏やかでシャイ。
そして、とても優しい心の持ち主。

この日、私はミスター・ホップウッドに次ぐ二人目の
英国紳士に出会ったのだ。

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Tadcasterの坂を下りながら、目指すはスミス氏のお宅。
スミス氏との出会いは今から17年前のこと。

滞英中の1999年夏
ミセス・ホップウッドと夕食の買出しから帰ってくると
家の前に見かけない車が。
「あらっ、スミスさんかしら。今日来るって言ってたけど・・・まさかね」
と呟くので
「どうして違うって分かるの?」と聞くと
「だって、ビール会社の社長さんよ。
あんな・・・オンボロ車で来るはずないわ」

確かに、お世辞にもいい車とは言えない。
普通の乗用車、というのでもない。
かなり古いので
「そうだね、きっと違うね」と言い合いながら家に入ると

ミスター・ホップウッドが玄関で
「スミス氏の奥さんが来てくれてるよ」ですって!
思わずミセス・ホップウドと顔を見合わせて
「えー?!」

その日は、奥様と息子さんがいらしてて
ミスター・ホップウッドとの話が終わったところだった。
奥様は「これ、うちで採れたストロベリーなの、どうぞ」と
爽やかな笑顔で渡してくれた。
彼女は何気ないワンピースに飾り気のないカーディガンを羽織り
ナチュラルなヘア&メイクで、とても感じがよかった。
息子さんは、10歳くらい。とてもハンサムですごくシャイ。
そして可愛らしかった。

その時、ホップウッド夫妻に
「ヒロコ、自分のことは自分で話して」と促され
緊張しながら自己紹介を少しした。
奥さんは丁寧に聞いてくれ
日本に少なからず興味があったようで色々質問してくれた。
そしてその後、驚きの発言が。
「一度、うちの工場を見学してもらってもいいかもね。
英国はビールの国だし、きっと興味深いはずよ」

ミスター・ホップウッドは
「ほぉー、それはきっとおもしろいだろうね」と乗り気で
ミセス・ホップウッドも
「ホッホッホ。まぁまぁ!出来たらすごいわ」と弾んでいる。
私もぜひお願いしたいと思いつつも
「まさか、そんなことは無理だろうなぁ」と思っていた。

すると数日後、ホップウッドさんからの電話が鳴った。
少し興奮した様子で「ヒロコ、ランカスターに行くわよ!」
ビール工場見学が決定したというのだ。

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