DIARY

パイロット  V CORN C

2010年11月 1日

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私の絵はすべて
パイロット社のV CORN Cを使っています。


個展会場では
「何のペンを使ってるの?」と
よく聞かれます。
このV CORN Cをお見せすると
たいていの方は
「え?これ?」と驚かれます。

そう、よく見かけるペンです。
値段は150円。
太さは0.5 と決して細くはありません。


絵を描くときは
このペンを斜めにして
勢いよく描き進めていきます。

絵をご覧になった方は
「細かいわねぇ~時間かかるでしょう。」と
おっしゃいますが・・・

ゆっくり描いてると線が太くなるので
想像されるより私の手の動きは速いと思います。


さて、どうしてこのペンで絵を描くようになったかというと・・・

それは、全くの偶然からでした。


1998年 渡英する為の荷造りをしていた時、
「向こうでも大好きな絵は描きたい」と思ったので
水彩絵の具と画用紙それに2、3本の筆を
船便用の段ボールに入れました。

当時は 気分によって
鉛筆やサインペンで描き
その後 水彩で色を付ける-
といった感じでしたので
ペンの事はあまり深く考えませんでした。

筆記用具として
使い慣れた布のペンケースに
使いかけの鉛筆とサインペン
そして・・・
手紙を書く時などによく使っていた
このV CORN Cを入れておきました・・・。


渡英してしばらくは
生活に慣れるのに必死で
絵を描く余裕もなかったのですが、

約1年後の1999年3月
ホップウッド夫妻に「水仙ピクニック」
連れて行ってもらいました。


田舎道の両側 どこまでも続く黄水仙
コテージ前 風に揺れるラッパ水仙
ヨークシャーデールの中  咲き乱れるミニ水仙
春の青空の下 光り輝き
まるで躍っているかのような水仙たち・・・


眩しい光景が忘れられず
帰宅後 無性に水仙が描きたくなりました。

摘んできた水仙を水に入れて
段ボールから水彩絵の具を出して
「さぁ、描こう」という時

机の上にあったのが
パイロット社のV CORN Cでした。

英国でも 何か書く時は常に
このペンを使っていたので
その日 たまたま机の上にあったのです!


何気なく このペンを手に取り
描き始めると とても描きやすく
夢中になって描きました。

V CORN Cはすぐに乾くので
その日のうちに水彩絵の具を付け
最後にホップウッドさんが教えてくれた
ワーズワースの詩を英語で入れました。

その一枚が完成した日の興奮は
今でも身体に残っています。


V CORN Cの線と淡い水彩が
絶妙にマッチした感覚。
花の水彩画に寄り添う
英字の雰囲気。

自分の中で「これだ!」と
思えるものが出来た衝撃でした。


その日から
2000年春 日本に帰国するまで
私は ひたすら心の趣くままに
英国の野の花たちを描きました。


もしも、あの時
水仙ピクニックから帰ってきた日
手にしたのが鉛筆だったら・・・
違うペンだったら・・・
「これだ!」と思える絵に
なっていたでしょうか。

なっていなかったように思います。


ですから
このパイロット社のV CORN Cのペンは
わたしにとってまさに
『運命のペン』です。


これからも このペンと共に
花々を描いていきたく思います。

このペンで
英国の水仙を描いた日のことを胸に
いつも新鮮な気持ちで
花に向き合っていけたら幸せです。