
「それにしても気持ちいいね。」
"ホントホント!さぁ、あちらの丘を見に行きましょう。"
「うん。行こう行こう!」
でも、ゆっくりね。
まだミスター・ホップウッドもお元気で
ホップウッド夫妻と私・3人でお出かけしていた頃から12年。
ミセス・ホップウッドの膝は弱まり、今では杖が必要。
ラベンダーグッズがいっぱいの可愛いショップを覗いては
"帰りにゆっくり寄りましょうね。ホッホッホッホ。"
丘の手前、夏の花々が咲き誇るボーダーガーデンを通っては
"見事ね。家の庭もこうなるはずなんだけど・・・ホッホッホッ"
当初は杖を持つことを喜ばしく思っていなかったホップウッドさんだけど
こうして杖に頼りながらのんびり歩く様子は楽しそうにすら見えてくる。
そう、彼女はあまり文句を言わないのだ。
現状を受け入れ、それを生かす術すら身につけているよう・・・。
そうこうしているうちに、目の前に現れた丘はこの景色!
"まぁ、ステキ!
ちょっと上りましょうか。ホッホッッホ。"
ところが、少し上った所で
"Oh,No!"
思わず私の方に寄りかかってくる。
足が思うように前に進まないのだ。
ホップウッドさんの全体重が乗ってくると
私も 「ううっ。重い。ちょっと待って。」
もしかして・・・
私たち二人、妙な格好で もがいている?
それも丘の一番下の方で!
これって・・・何だかオカシイよね!
ハッハッハッハ・・・ホッホッホッホ・・・・。
笑いながら どうにか体勢を整えて方向転換に成功。
丘を下ることに-。
ミセス・ホップウッド、ポツリと一言。
" 結構急だったわね、この坂。"
年月の流れを強烈に感じる時。
こうして元気に会える今が如何に貴重か痛切に感じる一瞬。